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爪楊枝のこと

豊かな自然を背景に発展した、河内長野市の爪楊枝づくり。
つつましくも息長く生き続ける、小さな暮らしの道具のこと、ご紹介します。
爪楊枝のこと 爪楊枝のこと

河内長野市と爪楊枝

河内長野市と爪楊枝

河内長野市と爪楊枝

河内長野市で楊枝生産が盛んになったのは明治期以降。この地で採れる黒文字を活かし、楊枝を削る内職が広まったのが始まりといわれています。1980年代の最盛期には、河内長野市の爪楊枝生産量は国内シェア97%を占めるまでに。しかし1990年以降、安価な海外産に押されて地元の製造元は減少の一途をたどり、現在、当地で一般的な丸軸型爪楊枝の生産を続けているのは私たち1社のみとなっています。

爪楊枝の製造工程

身近な自然資源・木を暮らしに生かした、先人たちの知恵を今に伝えます。

爪楊枝(白樺)
黒文字楊枝

01.北海道産白樺を伐採

生長が早い白樺は、しなりがあって匂いも少ないため爪楊枝素材に最適。伐採した丸太は樹皮を剥き、35cmの寸法に玉切りします。

02.丸太から薄板へ

玉切りした丸太を煮沸して、アクや匂いを抜きます。さらに、やわらかくなった丸太をかつらむきにして、薄い単板に加工。

03.約30cmの籤(ひご)に加工

かつらむきした白樺の薄板を一定幅に切り分けてから乾燥させ、細く丸い籤(ひご)に加工。日本特有の丸い爪楊枝がここから生まれます。

04.爪楊枝の長さに裁断

ここからは河内長野市の自社工場での作業。北海道から私たちのもとに届いた約30cmの籤(ひご)を、均一の長さ(約6cm)にカットします。

05.先端を削る

先端を削って尖らせます。菊水では、B品を減らし資源を有効活用するため、「こけし(飾りの溝)」をなくしたタイプも展開しています。

06.検品・箱詰め

人の目で検品を行い、B品を取り除いたのちに、地域の内職の方々にご協力いただいて箱詰め。お客様のもとへ心をこめてお届けします。

01.クロモジを伐採

クスノキ科の低木・クロモジは、日本の香木の代表格。菊水では地元・河内長野市のほか、高知や奈良から原木を調達しています。

02.厚みと幅を一定に

クロモジの原木を4つに割り、黒い皮を残しながら厚みと幅を一定にします。

03.長さを切り分け手削りで仕上げ

長さを切り分け、手作業で先端を削って尖らせます。素朴な野趣あふれる黒文字の菓子切りは、お茶席には欠かせない存在です。
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